sweeteden
日々まったりマイマイ☆

月の灯り −4−                 
今日もまた。
とりあえず書けるところまで書き進もうかなと思っています。
やっぱなにごとも、タイミング〜☆
書けなかったものが書ける瞬間が来たんだったら、書いておかなきゃかなっと。
ただ、なんか、、、かなり某キャラがアイターな感じです。
そしてまだ全然知識不足、、、。
うーん、難しい。
ほんとかなり暗い話になりそう;



第1話はこちら読書
第2話はこちら読書
第3話はこちら読書
第4話は続きを読むからどうぞ。
『月の灯り』

 −4−




 奈緒は週の5日間をバイトに費やしていた。
 バイトは駅前のファミレスで夕方6時から9時までの3時間。
 土日は昼からのシフトをいれてもらっているため、6時間勤務。
 家にいるときは勉強、そして家事。
 まわりの友達が遊んでいる時間、バイトと勉強に勤しんでいる。
 美玖に心配されたが、奈緒にはそれらはまったく苦ではなかった。
 奈緒は軽い足取りで改札をぬけると駅のそばにある花屋に立ち寄る。
「すみません、このガーベラ一本ください」
「はい。いつもありがとう」
 毎日立ち寄る花屋。
 毎日1本しか買わない奈緒。
 だが花屋の店員は笑顔で、たった一本の花に小さなリボンをかけて渡してくれる。
 それは、いつだったか奈緒が花を買う理由を話したからだ。
「ありがとうございます。また明日」
 にこにこと花を受け取って、早足で道を歩く。
 地元の駅から二駅離れた場所に奈緒のバイトするファミレス、この花屋、そして父親の入院する病院があった。
 バイトの時間を6時からにしているのは父親の見舞いをするため。
 今日は元気だろうか?
 そんなことを考えながらバスに乗り病院へ向かった。








 5分ほどバスが走ったところに病院はある。
 広大な敷地の中にある茶色の外壁をした、大きな建物。
 がんセンター。
 奈緒は少しだけ気合をいれるように深呼吸をして病院に入る。
 父親の入院する病棟へと向かっているとき、前方から来る男に奈緒は眉を寄せた。
 この場には不似合いな派手なスーツ姿の男。
 黒の上下にピンクのシャツ。胸元のボタンは三つほどあいていて、太目のシルバーネックレスが光っている。
 金髪に近い髪、耳には三つのピアス。
 その男は今朝、我が家にいた男―――。
「よお。見舞いか?」
 奈緒の目の前に男・優斗が立ち止まる。
 小さな笑みを浮かべる軽薄そうな雰囲気の優斗。
 奈緒の、兄。
「……なにその服。そんなキモちわるい恰好で病院来ないでよ。お父さんに迷惑じゃない」
 優斗の問いに答えることなく、奈緒は冷ややかに優斗を睨む。
「はぁ? ふつーだろ? つか、かっこいいって言われるぞ?」
 へらり、と笑う優斗にイライラが増す。
 確かに見た目だけならカッコいい部類にはいるだろう優斗。
 だが性格は最悪だ。
「ケバくてバカな女にちやほやされて喜ぶなんて、ほんと優兄はバカだね」
 棘を隠そうともせずに言う。
 だが優斗はいたって気にする様子もなく、首を傾げる。
「バカはオマエだろ? 働き過ぎ勉強しすぎなおバカちゃん」
 からかうような声。
 奈緒はムッと表情を歪めた。
 優斗と話していると、一瞬で沸点に到達してしまう。
 苛立ちはすぐさま破裂して、憎しみにも近い真っ黒なものに心が覆われる。
「優兄ってホント、ウザイ」
 いつもならもっと食ってかかっているだろう。だが今いる場所は病院。
 激情を抑え、ぼそりと奈緒は呟いた。
「心、せまっ」
 吹き出すように言い、軽薄な笑みを浮かべる優斗。
 どうしてこんな男が父と母の息子で、そしてあの優しい慎吾の弟なのだろうか。
 奈緒は、自分を見下ろす優斗の冷たい笑みを睨みつけて、その横を通り過ぎた。
 間をおかずに優斗の足音も響きだした。  
 奈緒は一度も振り向かず病棟へと向かう。
 大嫌いな優斗のことを忘れ、大好きな父親のことを想いながら。






 *つづく*

 





  
: 小説「月の灯り」 : comments(0) : - : posted by 紅葉ひろ :
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