sweeteden
日々まったりマイマイ☆

X - Birth                 
ファイル整理していたら書きかけの小説がちらほら。
新作で、ネタ自体をまったく覚えてないものとかもありました(笑)
タイトルは覚えがあって、キャラも薄らぼんやり覚えてるものの、内容がさっぱり。。。
いつか思い出す日がくるのだろうか。
ちなみにタイトルは『ワガママ姫とふたりの王子様』
いったいどんな話なんだろうww

で、ZERO/Xのがあったので、書きましたです。
つーかZEROとか読んでる人いるのか不明だけどw
いつのまにか休止してんのでページ作るのは再開してからに。。。
ZERO番外編です。
話としてはside A-nightmareの6話にあたり、入れ替え前のグライスの話デス。
sideA読んでないとわかんないだろうです(え)
とりあえず番外編『X-Birth』は続きを読むから、読みたい方のみどーぞー。
超ド暗いです。内容は6話と同じなのでw
ていうか年明け新春初のお話がこんな暗い話なんてww

さー、、、ほかのもちょこちょこ書かなきゃだなぁ。



***




 そんなことのために―――――。

 冷めた目が、目の前の男を捕らえていた。


『X-Birth』


 白銀の整った顔立ちをした男は、目前にいる男児と良く似ていた。
 面立ちも、髪の色も、深い藍色の瞳も。
 だが瞳に宿した色は違った。
 いや、それも『いつもなら』似ていたはずのもの。
 男児のひどく冷めた氷のような光は、男がいつも宿していたものだったから。
 だが、今、男の目には憑かれたような熱をはらんだ光がある。

 男にとって、この男児との生活によりすべては――――壊れてしまった。
 その壊れた残骸を屠るべく、男は手にナイフを持っていた。


「なんで、自分の手であの男を殺さなかったのだろう、と後悔した」
 男は男児に――いや、昔を思い出すように静かに語った。
 幼き日、実父に受けた虐待のことを。
 忘れられない、忘れようと、忘れていたつもりになっていた日々のことを。
「なんで、あんなにあっけなく死なせたんだ。
 なんで、苦しませて苦しませて、殺さなかったんだ。
 たとえ相打ちであったとしても、あの男をこの手で、切り刻まなかったのだろう」
 突然事故死した両親。
 虐待の日々からは開放された。
 だが、それは本当の開放ではなかったのだ。
 男にとっては―――。

「自分の手で殺してさえいれば、俺は幸せになれたのに」

 ため息のように、つぶやきは零れ落ちた。

 


「グライス」

 男―――シュッドは男児グライスに向かって抑揚なく呼びかけた。
 グライスを見つめる目はなにか怖いものでも見るかのようなものだ。
 シュッドはグライスの前にひざまずき、グライスのまだ幼く小さな手をつかむ。
「さぁコレで」
 言いながらナイフを握らせる。
「コレで俺を殺すんだ」
 そうナイフをもつグライスの手をさらに握り締め、自分の胸にあてがう。
「そうすれば、すべてが終わるんだ」

 すべてが終わる。
 幼い頃父親に受けていた虐待を、大人になった自分が甥であるグライスに対して同じようにしている。
 床に叩きつけられ、血を流しているグライスを見ると、幼い日の自分の姿とダブる。
 恐ろしい光景。
 あんなに憎んでいた父親と同じことを、自分もまたしているのだ。
 いや、自分で自分を虐待しているのだ。

 あのとき、父親を自分が殺していれば、こうはならなかったかも知れない。

 だから。
 だから。

 遅くはない。

 だから。
 だから。

 殺すのだ。


 父親を。
 自分を。

 そうすれば。











 ―――プツン。
 
 と、何かが、思考が途切れた。
 ブツブツと呟いていた唇は、言葉を見失い、そして呆然と、いや不思議そうに顔が歪む。

 首が、首のあたりが、妙に温かい。


 幼いグライスの手にナイフを握らせ、胸にあてがっていたはず。
 そのグライスは冷たい陰鬱な眼差しで自分を見ている。

 
 さぁ、早く殺してくれ。


 そう。
 言おうとした。


 言おうとして、グライスの顔が赤く染まっていくのが見えた。
 言おうとして、言葉の代わりに血が吐き出された。


 ナイフが、視界に映る。
 グライスの手から離れ、床に硬質な音を響かせながら落ちたナイフ。
 ケーキを切ったあとだったから生クリームとスポンジのカスがべっとりとついている。
 それを見て、シュッドは眉を寄せた。
 生クリームは赤かっただろうか。
 そう思った途端に、ひどく首のあたりが熱く感じ、手を当てた。
 なにかが、噴出していた。



 鮮血を首から噴出させ、シュッドは驚愕に目を見開いている。
「望みどおり」
 そう――――グライスは冷たく言った。
 叔父の血に染まりながら、動じもせず床に崩れ行くシュッドを見続ける。
 やがて部屋の中は静まり返った。
 血溜りの中息絶えたシュッド。
 テーブルにはシュッドが買ってきた一足早いクリスマスケーキが食べかけのまま残っている。
 グライスはそれらを一瞥して洗面所へ行き、顔を洗った。
 そしてベランダの窓を開けた。
 全開になった窓から風とともに雪が入り込んでくる。
 外には雪が静かに降り積もっている。
 眼下に並ぶ家々にはクリスマスイルミネーション。
 眩く、楽しげな色とりどりのきらめきをグライスはしばし眺めた。
 だがその瞳には昨日まであった子供らしい光は消えうせている。
 冷気を含んだ風が、グライスの頬を撫でていく。
 それだけが心地良いものであるように、グライスはそっと目を閉じた。
 

 こうして、グライスの幼年期は幕を下ろしたのだった。
  


[グライス・バーディガル]
 西暦2073年新都市neo-earth第7地区に生まれる。
 1歳の時、父親が行方不明になる。
 3歳の時、母親が強盗により殺害。
 その後、叔父に引き取られる。
 グライス6歳、叔父を殺害。
 動機は虐待と見られる。
 その後施設へ入るも、7歳のとき2度目の殺人を犯す。
 施設から逃走。その後マフィア・ティーズリー一家に拾われる。
 12歳の時、暗殺者として闇の世界に現れる。
 女子供問わずに殺人依頼を請け負う。
 グライス21歳。西暦2095年1月23日、国家警察により、射殺。

 
: ちょこっと小説。 : comments(0) : - : posted by 紅葉ひろ :
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